自分が実はテスト管理ツールを作っているというと、多くの人の反応は「そうなんだふーん」というリアクションが多い。もちろん、個人開発をしている人の多くがこういう反応をされる。
正直こういう反応は慣れていてとくに問題があるわけではないが、エンジニアであっても9割方の人はそもそもテスト管理ツール自体を知らないケースが多い。例えば、OSSで言うとTestLinkが有名ですよと説明してもあまりピンと来てない人が多い。*1テスト管理ツールを知っているのはSIer出身の方が多くWeb系の知らないこと人が多い印象を持っている。なので今回は何故自分がテスト管理ツールを作ろうとした動機を書いていく。長くなってしまったので前編となる。
サブスクリプションモデルの浸透
いきなりテスト管理ツールの重要性を書いてもピンとこないので背景にあるビジネス的な面から説明していく。
まず、サブスクリプションモデルの浸透*2について。サブスクリプションモデルの代表的な業界でSaaS業界を挙げると、国内では15%・海外では20%の成長率となっている。またtoCの分野でも最近ZOZOが有料会員を打ち出したりしてSaaSの枠にとらわれない代表的なモデルになっている。エンジニア・デザイナーでわかりやすい例でいうとAdobeも何年か前に買い切りからサブスクリプションモデルに移行している。今後も非常に市場規模が大きいライドシェア市場においてもサブスクリプションモデルが採用されるため、より今後もサブスクリプションモデルの浸透は増していく。
サブスクリプションモデルのビジネスインパクトについてはこの記事の趣旨と違うので省くが、開発面においてもサブスクリプションモデルの影響は受ける形となったと自分は考えている。
サブスクリプションモデルが開発にどういう影響を与えたかと言うと、アジャイルとの相性が非常に良い。というよりもサブスクリプションモデルを継続するのにはアジャイルでないと継続するのは不可能でさえ思う。
サブスクリプションモデルでもっとも重要なのは継続的な改善である。売り切りではないため継続的にユーザーの行動・要望を分析しサービスの改善に活かないとユーザーは別のサービスに乗り換えや解約に繋がってしまう。この継続的な改善がないとサブスクリプションモデルは、それただの月額制ですよね?となってしまうのでここの違いはきっちり認識する必要がある。
そして継続的な改善を実施するにはウォーターフォールでは対応出来ないのだ。顧客の要望を迅速に取り入れるには要件をしっかり定義している時間がない。70%ぐらいの確度でリリースしていく方がメリットが大きい。*3