2024年以降の生成AIの予想

もはや何番煎じなのか分からないが、年末年始にずっと着手していなかった生成AI関連のキャッチアップしてみて思ったことを記録として残しておきたい。

生成AIの何がすごいのか

自分の感覚で言うのであれば実は今まで機械学習でも原理的には同じことは出来る。ただし、今まで機械学習はモデルの作成までに膨大なデータや人件費やお金がかかっていてさらに特定の業務にしか特化していなかった。そのため一般の企業ではその膨大なコストが払うことが出来なかったので、現実的に採用するのは難しかった。

しかし、OpenAIのモデルは汎用かつ高性能、しかもコストが圧倒的に低く提供しているため現実的に使えるようになったのが革新的である。

また使い勝手もかなり簡単になっている。今までアセンブリ言語で記述が必要だったのが急にPHPぐらいまでの記述が簡単になっている。一応専門的な能力は必要だがかなり敷居が下がったのは事実だ。

そういう意味では自分としては生成AIという言葉よりも、機械学習の大衆化のニュアンスの方がしっくりくる。

大前提

前提として生成AIがビッグワードでどこから着手していいのか分からない人が多いと思うが触ってみて改めて感じたのは個人の力をパワーアップさせる力が根源な気がした。つまり会社や組織の力をパワーアップさせるよりも個人の力を最大限に引き伸ばす武器としての活用が現時点では大きい。

エンジニアリング

もう既になっているのかもしれないが、今年・来年以降は生成AIの力を使った設計及びプログラミングはだいぶ本格的に浸透すると思う。これだけだとだいぶ雑な予想になるけど、プログラミングの面でいうとRuby on Railsのような設定より規約のような大体だれが書いても同じような仕組みのフレームワークを使うと効率化できそうな気がした。またRailsじゃなくて、DDDのように冗長だけど統一された書き方の方が上手く行きそう。

つまり何を言いたいのかというと冗長さを減らすために凝った作りにするよりも、冗長の部分は補完や生成に任せて統一する方がコード生成しやすいのではという考えだ。なので要件にあったピッタリとしたFremeWorkを使うよりも情報源が多い重厚なFrameWorkを使った方が機能拡充面ではスピードが早くなるのではという考えだ。

またインフラ構成もコード化しておけば、アプリケーションよりも複雑ではない分補完がかなり効くと思うので積極的にした方が良い。

モバイルアプリ

一応今はiOSエンジニアなので言及しておく。今は新規のアプリではFlutterやReact Nativeでの採用が多い。正直自分もよっぽどの要件でもない限りそれらの技術を使った方が良いのではと思っている(ただしそれらの技術も人材不足なのでそこは考慮していない)

ただ今後生成AI関連のプログラミングの質が上がってくればわざわざクロスプラットフォームではなくて、ネイティブで書いてしまうのもアリな気がしてきた。ネイティブはそこまで頑張らなくても動作も軽い、細かいチューニングもいざとなったら出来る、端末の最新機能を存分に活かせるメリットがあるので。 そう考えると新規でのクロスプラットフォーム採用も一定の範囲内で収まるのではないか。

デザイン・コピーライティング

Googleが広告部門の人員を大幅な削減したように、広告部門でのクリエイティブ関連の整理は進む。例えば広告のクリエイティブは1枚1枚丁寧に作成するよりも、生成AIで大量クリエイティブを作りその中でABテストを頻繁にした方が結果が出そう。

ランディングページの作成もコンセプトやターゲティングは自分達が考えて、参考したいページを渡して、生成AI側がいくつかデザイン案を考えてマークアップまでしてくれるというのはたぶん1~2年ぐらいで現実になりそう。そういう意味では今ザイナーやマークアップエンジニアを目指すのはやめた方がいい。またマークアップも今まではオフシェアで一部人件費で安い国で外注していたがここは生成AIでかなり置き換えが進む。

SNS活用

凝ったSNSでの活用をしないのであれば普段のSNSでの投稿やショート動画作成は生成AIで活用できるのではと思っている。例えば、サービスでユーザーが作ったコンテンツ紹介などはわざわざ人が運用しなくてもプログラムと生成AIを使って自動投稿が出来そうである。

まあ動画については0から作るのは難しいかもしれないが、編集の工程をかなり減らすことが出来るようになる。

直近必要な能力とは

エンジニアとそれ以外で大きく違うところは自動化できるの箇所の見極めが出来る点である。例えば普通の人が30分かけていたところをプログラムで自動化してしまう、また普通の人が自動化できると思ったところを逆に難しい(コストが合わない)と判断できるところである。

それは生成AIも同じでここは生成AIを使って短縮出来ますよ判断する能力が今後は必要になりそうである。しかも仕事で使えるレベルにはなるには、現実的に可能なのか、どのくらいの精度と工数で出来そうなのか見積もれる能力かなと。

企業では上手く使えるのか

広告など一部の業界ではものすごく活用されるが、正直まだ大きな成功事例は多くはない。今は期待が過剰にされている期間なので少し落ち着いて評価をする必要がある。ただそうはいってもトライしてみないと効果検証できないので多く企業で挑戦した事例は今後2~3年は増えると思う。