フリーランスの単価についての考察

実はエンジニアのフリーランスは単価についてのマウントが多い。単価は売上に直結するので結果的にそのフリーランスの実力と見なされるので自然とマウントになる。

ただ基本的には自分の得意な技術を切り売りするのが時間効率も含めて最大化しやすいので、つまらないけど簡単に出来る仕事を沢山こなすほうが良い。つまり単価とエンジニアスキルというのは一定レベルまでは連動するが、あるラインを超えると必ずしも連動しないと考えている。

という前提はありつつも取引先は重要だと自分も考えている。そこで今までの経験の中で最初考えていた変化した考えを書いていきたい。

儲かってるサービスは単価が高い説

昔はこの仮説を持っていた。この仮説はあながち間違いでもないが正確ではない。大手企業に所属した人なら分かると思うが事業部(サービス)によって予算が決まっているので、必ずしも儲かってるイコール単価が高いことに繋がらないことを説明したい。

最初に説明するとサービスが高い利益を出していたとしても投資フェーズなのか安定フェーズなのかで事情が変わる。例えば利益は高く出ているが実は成長率が鈍化していればもっと効率的な人員で仕事を回そうという意識が高まり、結果的に経費の支出が抑えられる。 逆に投資フェーズであれば多少の経費の誤差よりも売上・シャアの独占を目指す。つまり儲かってるサービスでも投資フェーズの方が予算が多く単価は高くなりやすい。

なぜこういうことが起きるのかと言うと、企業というのは新規領域に資本の投下を集中的に行いまずはシェアの独占、つまり売上の拡大を目指す。シェアを最大までを広げて成長率に陰りが見え始めたら、効率化を行い利益重視になる。もちろん最初から高収益なビジネスもあるので全てに通用しないが、スタートアップはこの理論で進めている企業が多いので、赤字先行のビジネスになっている。

安定フェーズはダメなのか

このフェーズはどっちが良い悪いというわけではない。不況であれば安定フェーズにいて嵐が過ぎ去るのを待つ方が良かったりするし、別のことに集中したいのであれば稼働が高くなりやすい投資フェーズのサービスよりも安定フェーズにいた方が良かったりする。 ただ今このサービスはどのフェーズにいるのかは意識しないと見当違いな不満を貯めることになる。

フェーズの分類

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製品ライフサイクル理論とは?段階ごとに事例やマーケティング手法を解説

上記図の引用サイト:
製品ライフサイクル理論とは?段階ごとに事例やマーケティング手法を解説 | YOBICOM

上の製品ライフサイクル理論と先ほど書いた投資フェーズと安定フェーズは話は似ている。成長期に取引すれば単価は高くなる。そして成長期を見分ける簡単な方法としては資金の大型調達をしたタイミングが外部から計測しやすいタイミングである。
大型資金調達の目的は一気に成長をドライブさせたいことが多いので、このタイミングで参画する方が変に大手企業のサービスと取引するよりも単価面ではよい条件になりやすい。また資金調達ではなくても新規事業に進出の場合でも予算枠を多めに確保するのでその場合でも期待値は高い。重要なのは分野で判断するのではなく、ちゃんと企業ごとに調査した方が良い。

導入期は技術的には先端分野というケースがよくある。個人的には今のVR・ARはまだ導入期だと考えている。もちろんVR・AR関係者は既に成長期だからという反論もあるかもしれないが、過去のソシャゲブームやスマホブームに比べるとブームというレベルかどうかは微妙であると個人的には考えている。

一番難しいのは成熟期でこれが安定フェーズに入る。難しいと表現したのは成熟期だけどその分野のニッチな箇所では成長が続いているパターンもあるので難しい理由だ。ただニッチなのは外から判断するのが難しいし、単価も相場通りに落ち着く可能性もあるので成長期と比べてメリットは少ないと思う。

まとめ

以上がフリーランスになりたての時と考えが変わったことだ。もちろん、そんな難しいことを考えなくてもっと簡単な方法あるのかもしれないし、もっと色々な面で検討した方が良い。ただ単価に関しては予想より違ったというのは出来るだけ避けた方がお互い良いだろうし、変に相場にこだわる必要もない。

最後に個人的に単価が低いフリーランスエンジニアも企業もダメとは思わない。外から見えていない計画があるかもしれないし成長スピードも異なるので比較することにあまり意味がない。