ソフトウェアエンジニアのキャリア

以前、常駐先の人からキャリアプランについてどう考えているか聞かれた。
正直、キャリアについてここ最近考えたことがなかったのであんまり上手く答えられなかった。そもそも心境としてはキャリアについて考えること自体があまり意味がないように感じているのも理由だ。

フリーランスとして変わったことの一つにキャリアについての考え方だと思う。自分のイメージとしてキャリアプランとは企業に属してその中で役割をどう変化させていくかの計画である。そのため個人事業主としてどう仕事内容を変化させていくかについては考えても、キャリアについては特定の企業に属していないので考えてないというのが答えになる。

そもそもキャリア戦略など難しいことを考えるのではなく、支出に対して収入が上回る計画をに立てればいいのである。分かりやすく言うと需要に対して適切なサービスを提供し適切な報酬を貰えればいいわけである。 キャリアプランはその手段の内の企業に属することを前提にしているので、キャリアプラン固執する時点で他の投資や事業の選択肢を狭めているのではないだろうか。
現在は自分は主に開発者として収益があるが、これが将来的に不動産売買やメルカリ転売に変化しても良いわけである。確かに世の中の需要に合わせるだけの働き方が後で人生を振り返った時に正解だったのかと言われれば微妙だが、キャリアプランを考え実行する唯一の答えであることに違和感を感じる。

キャリアの選択肢は多くない

もう一つ理由として、そもそもソフトウェアエンジニアのキャリアにそこまで選択肢が無い(ほとんどの職種にも該当する)。最近は企業内でプログラムずっと書いていく専門の道も出来てきてはいるが、なかなか茨の道に見える。プログラムを書いて自分も8年のキャリアになるがこれ以上純粋なプログラミングの技量を高めるというのは難しいなと。つまりプログラミングで生きの良い若手とプログラミングのみで差別化するのは現実問題かなり難しい。そのため、マネジメントの仕事で若手との差別化を図る人が多い。またマネジメントというのは企業内スキルの傾向が強く今度は転職する時にあまり強みを発揮しない。さらにマネジメントは技術と違って絶えず進化していないので恐らく3年やればスキルとしては頭打ちになるだろう。

むしろ3年もやって頭打ちにならないのであればマネジメントの仕事に向いてないのではないのだろうか?

もし技術の経験で差別化するのであれば専門知識が必要でそこまで人気のないOSやコンパイラの低レイヤーの仕事があるが日本にいる限りその仕事を得るチャンスをそう多くは無い。

50代のエンジニア

50代のエンジニアがいたとしてどういう仕事内容が理想かと言うと、あるプロジェクトの最終責任者になる、取引先を持っていて自分の食い扶持のみならず若手の仕事を作れるというのが考えられる。もはやそれはエンジニアなのかという疑問もあるが、経営者から見れば人件費が高い50代の役割としてはプログラミングだけする技術者よりもそちらを優先したい。ただ、そういう役割の人が企業内で少子化のこの時代に多く存在できるかは疑問だ。 また、多くの取引先をもって仕事を作れるというのはフリーランスの営業と変わらないので、そう考えると結局企業に属するメリットがあまりない。

手を動かすエンジニアとして現役を続けたいのであれば例えばVR・ARエンジニアや機械学習エンジニアなどの時代によって必要になる新しいエンジニア職にコンバートしていくのが確実である。 しかし、企業内においては若手に優先してそういう新しい仕事が割り振られるので、それなら自分でリスクを取れるフリーランスの方が良いと感じる。

まとめに入るが結局キャリアにそこまで多様性はないのであれば、キャリアを重視するのではなく商売のセンスを上げていく方が個人の働き方として多様性があるのではないのだろうか。とくにリモートワークの比重は増えることはあっても減ることはないだろう。それならばキャリアを重視するという考え方自体も改めて考える必要はある。